テキストサイズ

短編集

第9章 「マンホール」

「マンホール」
マンホールに落ちた。
今朝のことである。
心配しなくてもいい。
骨折等の怪我はない様子だ。

マンホール内は直径1メートル位の広さで、ツルツルしたコンクリートの打ちっぱなしの壁だ。

地上は約3メートル頭上。
円い空が見えている。
暗いが、真っ暗ではない。
上るための梯子はない。
横穴もない。

四肢を突っ張って登ろうとしたが、ツルツルして無理。

つまり、自力では脱出不可能だ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ