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僕のこたえ

第7章 僕という存在

本を広げ読み始めると…ダクトの反対側から、小さな笑い声と甘く囁く声…そしてリップ音が聞こえた。


何度も繰り返される唇が触れ合う音…


そして…


時折漏れる…君の声。


僕はこの時初めて君とアイツのしている事をリアルに感じた。


すると腹の底から何か得体の知れないものが込み上げて、本を持つ手に力がこもった。


「理人…」


君がアイツの名を聞いたこともない程の甘い声で呼んだ時だ。


怒りに似たその感情がついに飛び出した。


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