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ホストクラブの罠(不良総受け)

第13章 透吾vs大和


―――――続いて瑠希視点―――――




透吾を殴った俺はそのままズカズカと玄関へ向かった。

腹立たしくて
なんだか情けなくて
悔しくて


俺の恭平への気持ちも

大和の俺への感情も

全部馬鹿にされた気になった。



「大和、帰んぞ。」


後ろを振り向くこともせず俺はその場を立ち去った。
すぐに大和があとを追ってきた。

幸い透吾はついてこなかった。







ダルさが残る身体を引きずりながら二人歩いた。


「瑠希さん・・・俺・・・すんません・・・」


不意に大和がそう言った。


「謝んな。お前が悪いんじゃないだろ。」

「でも、俺・・・」





「頼むから謝んなよ・・・・」







惨めになる・・・・・

そう心で思った。





俺は男だ




男なのに・・・・









その時の俺にはまだ
変な葛藤があったんだと思う。

悪いことも人一倍してきたし
いきがって生きてきた。
他人に見下される事も大嫌いだし
馬鹿にされるなんて我慢ならなかった。


まるでプライドの塊。


結局
俺は自分が一番大事だったのかもしれない。



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