ホストクラブの罠(不良総受け)
第13章 透吾vs大和
「瑠希さん、俺帰りますね・・・」
「あ、ああ」
今までにないくらい大和がへこんでるのがわかった。
とぼとぼと歩く後ろ姿がえらく寂しそうで。
「大和!」
「え・・・?」
「また来週な!」
俺は精一杯の笑顔でそう言った。
それしか出来なかった。
慰めて期待させるわけにもいかない。
だからといって大事な後輩をほっとくわけにもいかない。
俺は人間として大和が好きだ。
そこに恋愛感情はないし
その気になったりということも今後ないだろう。
それなら精一杯の笑顔で
精一杯格好良い先輩で居続けたい。
それが俺のけじめだった。