
ホストクラブの罠(不良総受け)
第14章 もう一度
―――――※恭平視点―――――
「瑠希・・・」
胸に抱いた瞬間
もう遅いんだと思った。
このまま距離をとり続けていれば、いつかこいつに対する恋愛感情がなくなるんじゃないかと・・・
そう心の中で思っていた。
だけど
そんなのは最初から無理だったんだ。
瑠希に好きだと言った日
その日から
いや
もっと前から
俺はコイツを自分のモノにしてしまいたいと思っていたのに。
傷つけていた・・・
知らないうちに
俺は瑠希を傷つけてしまってたんだと気付く。
自分の気持ちを殺し
自分だけが苦しいと思って
自分の為だけに瑠希と距離をとった。
惨めだったんだ。
先が見えない恋愛をする自分が。
好きだと言ってしまったその行動こそが本当の俺の気持ちだったのに・・・
「悪い・・・」
一言を発するのが精一杯だった。
泣きじゃくる瑠希を前に俺は
何を言っていいかわからずにいた。
