ホストクラブの罠(不良総受け)
第2章 不良ホスト
「今日で俺はチームを脱退する」
俺の放った一言に、その場にいた全員が唖然としていた。
100人弱の族チームの総長をしていた俺は、20歳になったこの日、チーム脱退を発表した。
自分の手で一から作り上げたチーム。愛着も執着ももちろんあったが、俺のやるべきことはすべてやったつもりでいた。
「2代目総長はこの大和(ヤマト)に任せた。オメェらも気合入れてついていけよ!!」
「「「ハイ」」」
こうして俺、
藤本瑠希(ふじもと るき)の華麗なる不良時代は終わった。
俺が脱退することを泣いて止めるやつや、俺と一緒に脱退すると言い出した奴もいた。
その後のチームは内部分裂を繰り返した挙句、解散したらしい。
まぁ、今の俺にとってはどうでもいいことだ。
そんなチームの頭をはっていた俺にも悩みはあるわけで・・
とにかく金が欲しいのにバイトが決まらない・・・。
はぁ・・
「藤本君は、バイトの経験は?」
「あ、はぁ・・・全然。」
「なんでうちで働こうと思ったの?」
「時給よかったんで。」
今日はバイトの面接で、俺は今まさにこの店の店長であろう人間に質問責めにされていた。