ホストクラブの罠(不良総受け)
第2章 不良ホスト
たいして敬語なんか使ったこともなく、返す言葉はタメ語ばかり。
こんなんでバイトの面接で落ちること、はや10回。
目つきは悪い、態度も悪い。
口も悪けりゃ、頭も悪い。
「今彼女はいる?」
「は?いねぇっす・・・」
「そう。良かった。じゃあ藤本君、採用ね。
ここに名前書いて、あと、ハンコ持ってきてもらってるよね?それをここに押してね。」
「え・・・はぁ」
まさかの店長の言葉に驚きながらも俺は用意された用紙に名前を書きハンコを押した。
「よし。じゃあ、うちの店のルールとか色々詳しく・・・」
ピリリリリリ・・・
ピリリリリリ・・・
不意に店長の胸元から携帯の着信音が鳴る。
「あ、ちょっとごめんね。
ハイ、俺・・・」
店長が電話をしている間、俺はキョロキョロとあたりの様子を見回した。
そこには沢山の花束や見るからにプレゼントだと思われる箱が置いてあった。
俺、本当にやっていけんのか?
そんな事を考えているとついつい眉間にシワがよる。
そう・・・
今俺は、自分にもっとも向いてないであろうバイトに受かってしまったのだ。
結構有名らしいホストクラブ。
俺は時給に食いついてここに来た。
煌びやかな内装に入ってすぐの俺は引き返そうかとも考えた。
総長なんてやってた俺に、女の相手なんか務まるのか?
しかもヤンキー時代は硬派で通してた俺は実を言うといまだ童貞だった。