無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

――※大和視点※――




ようやく唇を解放すると、涙目の瑠希さんが俺を睨んでいた。




「わかってくれました？
俺の気持ち。
そういう意味で、好きなんっすよ。」




「いちいち・・・行動でしか示せねぇのかよお前は！」



「だって、言葉だけじゃ、
瑠希さんに伝わんないじゃないっすか。」



「俺は、男だ！！！」


「そんなの知ってます。
男とか女とか関係なく、あんたが好きなんっすよ。」









「俺は・・・・
お前の気持ちには答えられない！
そういう対象で見られても困る。
だから、諦めろ。」



「嫌です。」





諦められない。

瑠希さんのあんな顔、他のやつに見せたくない。








「大和・・・お前さ、
どうしたいんだよ？
俺はお前のこと大事な仲間だと思ってた。
いや、これからもそう思いたい。

最初は裏切られたって思ってたからお前の事ぶん殴ってやるつもりだったけど、俺の事、その・・・そういう風に見てたんなら仕方ねぇって思ったし・・・



お前が俺の事好きなのはわかった。
でもな、
俺はお前をそういう対象にはみれねぇよ？

今も。

これから先も。ずっとだ。」










まっすぐ、目を逸らすことなく瑠希さんは俺に言った。






「ずっと？」


「ずっとだ。」




視線は外さない。


あぁ・・・なんて真っ直ぐな人なんだろう。


俺はそんなこの人に憧れて、追い続けてたんだ。



「はぁ・・・きつ・・・
瑠希さん、昔からズバズバもの言うタイプだけど、告白の時くらいもっと優しく断ってくださいよ・・・」



「これでも優しく言った。」


「はは・・・
瑠希さんっぽいや。


わかりました。諦めます。
あ・・・いや、諦める努力はします。」


「なんだそれ」




ハハッと小さく瑠希さんが笑ってくれて、俺はなんだか救われた。

忘れることなんてきっとできるはずないのに。
瑠希さんは優しい。








瑠希さん。

俺、きっと諦められないっすよ？

だけど、

俺がそう言ったらあんた困るでしょ？

だから、

俺の気持ちはこっそり胸にしまいます。

瑠希さんがそれを望むなら。