359°
第6章 熱意と決意
「ええっ!?」
驚くオレに、ジェイソンがゆっくりと近づいてくる。
そのジェイソン男の手元にはチェーンソー…ではなく、黒と白のツートンカラーのギターがあった。
「…っ」
オレのすぐ目の前に、ジェイソン男が立つ。
よく見ると、それはマスクだった。
目と鼻に穴が開いている。
誰なんだ、この人…
ジェイソンのマスクを被った男は目を細めると、オレの肩に手を置いた。
よく見えないけど、笑ってる風だった。
「…」
ジェイソン男はオレの横を通り過ぎ、ステージに向かう。
オレはすぐに振り返った。
演奏を終えたはずの菅生さんたちが、なぜか退場しようとしない。
むしろジェイソン男を迎えていた。