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第6章 熱意と決意



「…みたいですね、オレもCD聴いてびっくりしました…」



オレは力無く笑う。





「でも、ユキより歌唱力がある。力強さがあるわ」


「え…」


「ユキの歌はね、どこか儚げで…いつも不安定だったの。まぁ、それが売りだったんだけどね…」


「…」


「だから声は似てるけど、全然違う。卓也くんの歌声の方が、ユキよりも何倍も人を惹きつけるものがあると思う。私は好きだな、卓也くんの声」




そう言うと、キミイさんはニッコリ笑った。

その笑顔が一瞬、女神に見える。





「…ありがとう…ございます…///」




オレは照れながら俯いた。






うわ…
好きだなんて…

そんなこと言われたら、
めちゃくちゃ嬉しいじゃないっすか///


しかもユキさんよりなんて…








「卓也くん」




ふと落ち着いた声が、前から響いた。





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