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第6章 熱意と決意



「は~参った、参った、もう…」



その時、スネアが入ってるであろうハードケースを持ちながら、菅生さんがこっちに歩いてきた。



「龍ちゃん、お疲れ」


「…ったく、あいつ…マスクは脱ぐなって言ったのに、やっぱりやりやがった…!」


眉を寄せながら、菅生さんはマサの方を見る。


「うん、今それ話してたとこ」


苦笑しながらキミイさんが答えた。



「とにかくこんな状態じゃ、しばらく結果発表は先だな。巻き込まれる前にひとまず退散しようぜ」



菅生さんの言葉に全員頷き、オレたちは一旦外に出た。








楽器を車に置いてくると言って、高藤さんたちは駐車場に向かった。
オレとキミイさんは、うさぎを見に中庭に行くことにした。



「あ、うさぎちゃん、まだいた。良かった~♪」



円形の柵に囲まれたうさぎを見に、キミイさんが駆け寄る。

柵の中には、白、黒、茶色のうさぎが三匹いた。



「あれ?さっきより数減ってますよね?」


オレがそう言うと、


「ああ、数匹売れたんだよ」


近くにいたおじさんが笑顔で答えた。




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