359°
第9章 funky&crazy
「懐かしいなぁ、俺もよく助っ人頼まれたわ」
「へぇ~」
「仕事終わった後にアールグレイの練習やって、また違うスタジオ行って深夜から朝まで練習したりな。ひどい時は一睡もしなかった」
「ええっ…」
卓也の顔がひきつる。
「どっちもライブ控えてたからな…どっちも手ぇ抜くわけにはいかねぇし…
ま、両立しろなんて厳しいことは言わねーけどよ…その代わりそのライブ終わったらみっちり練習やっからな!覚悟しとけよ?」
そう言って龍はニヤニヤしながら、たじろぐ卓也の顔を覗き込んだ。
卓也はハッとして後ずさる。
(いちいち顔近づけんじゃねーよ!オッサン!)
なんとなく近付くのは危険なような気がする…
卓也は本能的にそう思った。