359°
第9章 funky&crazy
この日、遠藤のプレイは最悪だった。
「はぁ…」
帰る方向が同じだったため、卓也は遠藤と一緒に帰ることになった。
当然のように木下ひろみも、空気のように卓也のそばにくっついて歩く。
「そんな落ち込むなよ、遠藤。大丈夫だって!あとまだ5日あるし」
「う、うん……で、でも…」
遠藤は緊張しすぎて何度も頭が真っ白になってしまった。
このままではライブをするのも怪しい。
「うーん…」
なにか克服する方法はないかと考えていると、横道から見知った顔の男性が歩いてくるのが見えた。
蒼士だ。
「よぉ♪」
「……」
卓也を横目でチラッと見るが、そのまま素通りする蒼士。
「…おいっ!無視すんなって!」
「話しかけるな」
「はぁ?相変わらず嫌な奴だな、お前」
「アホと関わるとろくな事ないからな」
「あ~ん!?」
「離れろ、アホがうつる」