 
359°
第9章 funky&crazy
「あ、の……!」
ふと2人の会話を遮る声が後ろから響いた。
振り返る蒼士と卓也。
「あ、あのっ…あ、アールグレイの…ギタリストの方ですよねっ……!」
遠藤はどもりながら蒼士に声をかけた。
「あのっ…すごかったです!バンドバトル……感動っ…しました!」
顔を真っ赤に染めながら必死に伝える。
「……」
蒼士は顔色ひとつ変えず、遠藤を見た。
「あのっ…教えてください、どうしたらあんな、堂々とプレイ…で、できるのかっ……」
蒼士は小さく息を漏らした。
「…そんなこともわからず演奏しているのか?」
「えっ…」
「自分で考えろ」
そう一言呟くと、蒼士はきびすを返し歩き出してしまった。
 
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