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第9章 funky&crazy


遠藤は周りを見渡した。
自分をジッと見据える女子たちの視線……



『そうよ、蒼士様の言うとおりだわ。まともに演奏できないんじゃあね~』

『いっそのこと、蒼士様がギターやればいいのに』

『ベースの人は来ないのかなぁ~~』



口々に勝手なことを言うギャラリー。
誰も自分たちの演奏なんて興味ない…

勘違いしてた。
彼女らはアールグレイのファンなのだ。

恥をかく前に………



「さ、坂本くん……僕やっぱり……」


「あのさぁ、オレ思うんだけど」

「…えっ…」

「そんなに肩肘張らなくても、学祭みたいなノリで楽しめばいんじゃね?」


顔を上げると、卓也の満面の笑みがそこにあった。



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