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「そうじゃないだろ、蒼士」


蒼士は卓也からフイッと顔を背ける。


「ほんとは少し心配で様子見にきたんだよな～」

「龍さん…！」


バツが悪そうに、蒼士はキッと龍を睨んだ。



「え……心配？」


キョトンと遠藤が目を丸くする。



「勘違いするな。お前がギター弾こうが弾けまいが僕には関係のないこと。無様な演奏しかできないのなら、ボーカルは坂本じゃなくてもいいってことだ」

「…っ…」


遠藤はグッと拳を握った。



(く、悔しいけど……彼の言うとおりだ。今の僕の演奏じゃ、みんなの足手まといになるどころか坂本くんの魅力も引き出せない……)