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……どうしてこうなった?

第9章 優花の入部

優花が深々と頭を下げると鎗倉は笑いながら去っていった。

鎗倉はどんな人間にも分け隔てなく接し、面倒見がよく、人望が厚い。

一度挨拶すると名前まで覚え、気軽に挨拶をしてくれるというのもその人望の厚さの一つであった。

しかしサッカーの試合が始まると人格が変わったかのようにピッチで暴れる。

鎗倉のポジションは守備的ミッドフィルダーでボールを持ってる選手を執拗に追い回したり、パスカットをし、ボールを奪ったら素早く前線にパスを回す役割だ。

派手ではないが攻めの起点と守備の要として重要な役割を果たしていた。

サッカーセンスの良さを生かしたプレイではなく、体力をフルに活用した泥臭くも頼もしいプレイが持ち味だった。

「俺は下手くそだから走り回るしかないからな」
というのが鎗倉のいつもの言葉だった。

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