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……どうしてこうなった?

第9章 優花の入部

「お疲れ様」

優花はにこっと笑ってタオルを駿二に渡す。

「おーサンキューっ! 優花ちゃんみたいに可愛い子にタオル渡されると疲れも飛ぶなぁ!」

「い、いえ、そんな……」

優花ははじめて駿二と会話をしたが、兄誠一とかなり違うチャラキャラに一瞬戸惑う。

「次の大会までに必ずレギュラー取って優勝するからさ、優勝したらコンパしようぜ!」

「えっ……は、はぁ。そうですね」

兄弟でここまで違うのかと優花はためらいっぱなしになる。

その様子を少し離れた位置で橘が見ていたが、優花と目が合うとさっと目を背け立ち去ってしまう。

「よっしっ! 約束ね! 俺頑張っからさ!」

ニッと笑みを浮かべて駿二はロッカールームへと戻っていった。

「葉月っ! はやく球拾い手伝って!」

「あっすいません」

優花は慌てて球拾いへと向かった。

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