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……どうしてこうなった?

第15章 優花の処女を捧げる日

お風呂上がりの優花の身体からは清々しい石鹸の香りが立ち込めていた。

ふたりはしばらく黙って秒針の動く音を聞いていた。

「あのときはもう、私、彰人のこと好きだったんだよ? 知ってた?」

「……優花」

「言わないで」

彰人がなにか言おうとした言葉を優花は慌てて止める。

「言わないで……お願い……今だけは、昔みたいに……ね?」

彰人は何も言わず、ゆっくりと唇を優花に近付ける。

優花はゆっくりと目を閉じた。


柔らかく、ふたりの唇が重なる。

ただ唇が触れあうだけのキス。

けれど離しがたい唇は長い時間重なったままだった。



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