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……どうしてこうなった?

第15章 優花の処女を捧げる日

「なんか懐かしいね……」

「だな……俺も身体が重くなって結構大変だった。ガキの頃体重をかけてた木の枝なんかパキパキいっちゃってさぁ……」

ふたりは大切な幼い日を思い出しながら窓を眺めていた。


「覚えてる? 私が何でだったか理由は忘れちゃったけど泣いてた夜、やっぱり今日みたいに彰人が窓からやって来てくれたの……」

「あったなー……優花は泣き虫だったから」

「それで泣き止まない私の肩を抱いて、何も喋らずにずっとそばにいてくれたの……」

「……」

「そしてそっと私を抱き寄せて、優しくキスをしてくれたんだよ……覚えてる?」

「……ああ」

「俺がずっと守ってやる。だからもう泣くなって……かっこよかったなー、あの時の彰人……」

「そんなこまけーことまでよく覚えてるな」

「細かくないよー。私には大切なことだもん」

優花は少しだけ身体を傾かせ、肩を橘に当てる。

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