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……どうしてこうなった?

第21章 振られる辛さ、振る辛さ

「芹沢先輩の作戦のため無理矢理彼女の振りさせられてただけだし……そもそも私が好きなのは彰人だけだし……」

優花の真剣な眼差しに見詰められ、彰人は思わず目をそらす。

「まあどうでもいいけどよ……」

「どうでも……いいんだ……」

「そういう意味じゃねーし……面倒くせぇな……」

「彰人は? 彰人は陸奥先輩と別れたの?」

「かんけーねーだろ」

「関係あるよ……」

優花はぐいと橘に近付く。

優花が近付くと橘が後退する。

それを繰り返し、遂に橘の背中は壁にぶつかった。

「逃げるくらい……嫌いになっちゃった?」

「そうじゃねーけど……嫌いとか、そんなんじゃねーけどさ……」

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