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……どうしてこうなった?

第21章 振られる辛さ、振る辛さ

幼い頃はなんの疑問もなく行き来していた二人だったが、中学になるとそれも激減し、高校になってから優花が遊びに来るのははじめてであった。

昔は緊張なんて全くしなかったのにな……

そんなことを思いながら優花は彰人の部屋へ向かった。


「今親いねぇからお茶とかねーけど、缶ジュースでよかったら」

「い、いいよ……大丈夫、ありがとう……」

優花は黙って座り、その向かいに橘も座る。

こうして二人きりになるのは優花が処女を失ったあの日以来であった。

「そういや優花、芹沢先輩と別れたんだってな……」

「あっ……うん……別れるもなにも、付き合ってないんだけどね」

「なんだかよくわかんねーなお前も。……芹沢先輩も」

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