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……どうしてこうなった?

第21章 振られる辛さ、振る辛さ

そもそも恋なんて理屈でするものではない。

ただ好き。

理由なんて色々考えて口にはするが、実際そんなものはどことなく空虚なものだ。

当たっているようで、まるで的を得てないようにも思える。

その人を見てときめき、その人を想いきゅんとなり、ただそばにいたいと願う。

そんなものに論理性なんてそもそも求める方がおかしい。


じっと橘の唇に見とれた優花は吸い込まれるようにその唇に自らの唇を重ねた。

「好き……彰人……」

「優花……ごめん……」

彰人はそっと優花の肩を掴み、密着した身体を引き離す。


「俺は、本気で陸奥先輩が好きになっちゃったんだ……だから、ごめん……優花の気持ちには……答えられない……」

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