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……どうしてこうなった?

第21章 振られる辛さ、振る辛さ

その言葉は聞こえているのに、どこか遠くで鳴るサイレンのように、自分には無関係の音のように優花には聞こえた。

気が付けば涙が次から次と溢れだし、止まらなかった。


「なんで……ッッ……なっんで……どう、しっ……あきっと……やだっ……やだよぉ……」

ほとんど言葉になっていない声を出しながら優花はしゃくりあげる。

「ごめん……」

「謝んないでよ……そんなっ……やだよぉ……」

どうしたって恋というものは残酷なもので、受け入れたくなくても受け入れるしかない現実もある。

「うわぁぁああッッ!!」


優花はそれを受け入れきれず泣きながら橘に抱きつく。

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