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……どうしてこうなった?

第6章 甘い罠

歩くのも辛くなるくらいに練習で体力を消耗していた橘彰人だったが、気持ちは晴れ晴れとしていた。


高校に入学すると同時にサッカー部に入部した。

意欲てみなぎっている彼にはそのハードな練習すら楽しかった。
とはいえまだ体がその練習についていけていないということも実感していた。

全国大会を目指している名門校というだけあり、その練習内容はハードなだけではなく、実に合理的なものでもあった。

正直サッカー推薦で入学したようなサッカーのエリートもいる部内では、橘のような一般の生徒は目立つ存在ではなかった。

それでも橘は腐ることなく、めげることもなく全力で先輩らに揉まれながら練習を続けていた。


「しっかしさすがに今日の練習は疲れたな……ちょっと休むか……」

学校から駅までもそれなりの距離があるため、橘はよく途中の公園でジュースを飲みながら休んでいた。

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