……どうしてこうなった?
第6章 甘い罠
のしかかられて、むにっと女子学生のふくよかな胸が橘に押し付けられる。
「ご、ごめんなさいっ!!」
女子学生は気の毒なくらいに顔を真っ赤に染めて、慌てて橘から離れる。
そして財布を開けて中身を確認した。
「間違いありません。私のです」
女子学生は学生証を抜き出し、橘に見せた。
「申し遅れました……私、東雲高校三年の陸奥佳奈美と申します」
「えっ!? さ、三年生の先輩だったんですか!? タメ語で喋ってすいません」
慌てて頭を下げる橘を生徒会長はクスクスっとおかしそうに笑った。
その姿を演技だと見抜けるほど彼には洞察力も猜疑心もなかった。
「いいですよ、そんなの。こちらこそ見つけてくれてありがとう」
眼鏡の奥の長いまつげにぱっちりとした目で見つめられた橘は胸を弾ませながら、照れ笑いを浮かべていた。
「ご、ごめんなさいっ!!」
女子学生は気の毒なくらいに顔を真っ赤に染めて、慌てて橘から離れる。
そして財布を開けて中身を確認した。
「間違いありません。私のです」
女子学生は学生証を抜き出し、橘に見せた。
「申し遅れました……私、東雲高校三年の陸奥佳奈美と申します」
「えっ!? さ、三年生の先輩だったんですか!? タメ語で喋ってすいません」
慌てて頭を下げる橘を生徒会長はクスクスっとおかしそうに笑った。
その姿を演技だと見抜けるほど彼には洞察力も猜疑心もなかった。
「いいですよ、そんなの。こちらこそ見つけてくれてありがとう」
眼鏡の奥の長いまつげにぱっちりとした目で見つめられた橘は胸を弾ませながら、照れ笑いを浮かべていた。