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まるで別の生き物みたいに素早くリョウの手はパットを叩いていく。

「すごいね……」

感心した橘はリョウを誉める。

「全然……私なんか下手くそだよ」

リョウは照れながら笑った。
死にたいと思っているようにはまるで見えない笑顔を見せる。


音ゲーのあと、二人はコインゲームを一緒にやった。

ほとんどやったことがない橘はリョウに教わりながら適当にやっていたが、運よくコインは大量に増えた。

「スゲー増えちゃったね……」

「ほんと……飽きちゃったし預けて出ようか？」

「コインって預けられるんだ？」

「そうよ……知らなかった？」

慣れた手つきでリョウはコインをカウンターに持っていき、スマートフォンを機械にかざした。

「それで預けられるんだ？」

「そう。簡単でしょ？」

にこっと笑うリョウは、やはりどこか幸薄そうな印象を橘に与えた。