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……どうしてこうなった?

第27章 生徒会長、陸奥佳奈美の勝利

「コピーできた? 俺もホチキスで閉じるの手伝ってやるよ」

「あ、うん……ありがと……」

刷り上がったまだ温かいコピーをホチキスで閉じ、二人は慌ててサッカー部のグラウンドへと戻っていった。

駿二君を好きでいられたらこんなに楽しいことないのに……


なんでこう、うまくいかないのかな、恋愛って……


器用に松葉杖をつきながら歩く駿二を見ながら優花はそんなことを考えていた。


このときはまだ、これから起こる大騒動を優花は知るはずもなかった。

今が最低だ、とさえ感じていた。

これから起こることを思えば、今はだいぶ幸せだなんてことを、知るはずもなく。

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