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……どうしてこうなった?

第27章 生徒会長、陸奥佳奈美の勝利

駅から家までの距離も全力で走った。

しかし橘の姿はない。

橘の家の前まで来て、息を整えながらインターフォンを鳴らす。

「はい?」

「あ、あの、優花ですっ! 彰人君は……」

「あ、優花ちゃん!? ちょっと待ってっ」

彰人の母はそう答え、すぐに玄関が開いた。

「優花ちゃん……」

汗で前髪がグシャグシャに乱れた優花を見た橘の母は動揺を隠しきれない様子だった。

「おばさん……彰人がぁ……彰人がっ!」

泣きながら優花は橘の母に抱きついた。

「私もさっき、学校から連絡があって聞いたの……ごめんね、優花ちゃんにまで心配かけて……」

彰人の母は優しく優花の頭を撫でて優花を落ち着かせた。

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