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……どうしてこうなった?

第27章 生徒会長、陸奥佳奈美の勝利

「キャプテンが……そんなことを……」

「ちょっ……お前っ! いきなり泣くなよ!?」

橘は気づけばポロポロと涙をこぼしていた。

「だ、だからさ、辞めんなよ、サッカー。それにもし才能がなくったっていいじゃねぇか。
別にプロになろうってんじゃねぇんだから。楽しもうぜ、サッカー」

「ああ……俺、サッカー辞めたくない……」

「当たり前だ。辞めさせねぇし」

ボロボロと涙をこぼした橘を駿二は松葉杖をつきながら抱きしめた。

「あ、でも優花は諦めろよ?」

「馬鹿だな、鎗倉は」

泣きながら橘は笑う。

駿二は笑いながら、ちょっとだけ涙を流した。

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