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……どうしてこうなった?

第27章 生徒会長、陸奥佳奈美の勝利

陸奥が橘を嵌めたという証拠など何もない。

ましてやいまさら調べたところで証拠など全て隠滅したあとに決まっている。

ただ、直感で芹沢は陸奥を疑う。

そしてもちろんそれは、当たっていた。


「どうにか……助けてやれないか、橘を……」

「さあ……流石にそれは無理でしょうね……彰人君は校則を違反したのですから。
今朝、職員室に呼び出して本人に問いただしたところ、事実を認めたそうですから。写真一枚、それもそれほどきちんと顔が写ってるわけでもない写真だったみたいだから否認すれば良かったのでしょうけど……
本人が認めたって言うんだから、仕方ないでしょうね。それに反省もしていないって話みたいですよ?」

探偵が犯人を追い詰める時のような、恍惚とした残酷さが含まれた口調で陸奥は説明する。

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