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……どうしてこうなった?

第28章 交わらない平行線

納得はいってない様子ではあったが副島は立ち去る。

「二人きりになりたいだなんて芹沢君もわがままね」

笑いながらそっと陸奥は擦り寄る。
前ボタンがパンパンに張った制服の胸をむにっと押し付け、黒く長い髪からは魅惑的な香りを漂わせる。

「なんだ、佳奈美、こんなところでセックスがしたいのか?」

「えっちっ!! それは芹沢君でしょ?」

恥じらう姿はまるで汚れを知らない少女のような陸奥に芹沢は思わず苦笑する。

「悪いがこんなとこでセックスする気分にはならねーな。お前だけ可愛がってやるよ、佳奈美」

芹沢はわざと少し大きな声で陸奥に告げる。

扉の向こうにいるであろう副島にも聞こえるくらいの大きな声であった。

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