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……どうしてこうなった?

第29章 不協和音

「わかってるよ。言うわけないだろ?」

「これは、俺の問題だ」

「好きなんだろ、芹沢? お前、本気で好きになっちまったんだろ、葉月のことが?」

「は、はあ!? なに言ってんの? お前キモい!!」

芹沢は柄にもなくキレ気味に慌てる。

「素直になれよ?」

「黙れよ、ブッ飛ばすぞ?」

分かりやすい奴、槍倉はそう言って笑う。


「好きとか、そういう問題じゃねぇし。俺が優花の生活めちゃめちゃにしちまったんだから、俺が責任とらねぇといけねぇんだよ」

話は終わり、といった感じに芹沢は立ち去った。

本当に、素直じゃねぇな……
芹沢も、葉月も……

立ち去る芹沢の背中を見つめながら槍倉はため息をついた。




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