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……どうしてこうなった?

第29章 不協和音

「なんだ、こんなところまで来て」

「なんだ、じゃないわ、芹沢君。私怖い目にあったのよ……とても一人でいるのが怖いから会いに来たの……」

冷たい芹沢の態度に陸奥は悲しげな目をする。

「寂しかったとしても、サッカー部の練習中にこんなとこまで入ってこられたら困ります」

優花は厳しい口調で陸奥を非難する。

「ッッ!!」

陸奥は感情を抑えきれず、イラッとしひ表情で優花を睨む。

常に余裕を装う陸奥だが、どうしても優花に対しては抑えきれないときが多い。

「それとも生徒会長様は特権で入れるのかしら?」

追撃のつもりの優花の煽りは残念ながら不発に終わった。

あからさまな嫌味は逆に陸奥に冷静さを取り戻させた。

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