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……どうしてこうなった?

第29章 不協和音

練習が終わると芹沢はいそいそと着替え、慌てた様子でロッカーを飛び出す。

「きゃっ!?」

ロッカーを開けた瞬間、扉の前にいた優花にぶつかりかける。

「あっ悪りぃ! 大丈夫か、優花!?」

こけかけた優花を芹沢は慌てて支える。

「だ、大丈夫です。てか触らないで下さいっ!」

支えられた手を振り払った優花は芹沢を睨む。

「練習は終わりましたか、芹沢君?」

気まずい空気が流れる二人に
空気を無視したような明るい声で話し掛けてくる声がした。

その上品で余裕を感じさせる声に二人は嫌な予感を走らせる。

「佳奈美っ……お前、なんでこんなとこまで……」

陸奥佳奈美がにっこりと笑い、二人を見詰めていた。


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