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……どうしてこうなった?

第29章 不協和音

実際はまだ、一年の何人かは練習をしていたが、みんなの心証としては練習は終わったものとなってしまっている。

「葉月、あんたね……フラれた元カレの彼女だからいい気がしないのはわかるけど、そんな言い方しなくてもいいんじゃない?」

呆れた視線を送るのは里村だけではない。

サッカー部の部員の何人かが同じような顔をした。

「そ、そんな言い方って……私そんなにきつく言ってません……」

「そんなの個人の意識の違いでしょ? 現に陸奥さんはあんなに泣いてるじゃない? そんな弱い言い方であんなに泣くわけないでしょ?」

「おい、里村っ!! 優花はべつに」

芹沢が間に入って説明をしようとする。

「芹沢君は黙ってて!! 芹沢君は女の子には甘過ぎるから。あんたは早く陸奥さん連れて慰めに行ってあげて。これはマネージャーとしての話でもあるんだから」

里村はキッと芹沢を睨む。

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