テキストサイズ

……どうしてこうなった?

第29章 不協和音

「でも」

「いいからっ!! 芹沢先輩は関係ないからさっさと行ってください!!」

誰も彼もが敵に見えてしまった優花は声を荒げて芹沢にそう言ってしまった。

「優花……」

芹沢は思わず言葉を詰まらせてしまう。

ここでいくら優花の肩を持ったところでもはや引っ込みがつかないことくらい、芹沢もわかっていた。

もはや陸奥対優花ではなく、優花対里村の感情のもつれあいに発展しているのは明確だった。

「ほんと、いいですから、先輩……」

大きな声を出してしまった優花は里村に厳しく睨まれ、しゅんと落ち込んでしまう。

「わかった……」

芹沢はそう告げて、陸奥を連れて歩き出す。

これ以上優花を庇うと陸奥が更なる攻撃を優花に今後加えてくる可能性も高い。

渋々ここは一旦引き上げた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ