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……どうしてこうなった?

第33章 動く歯車

「葉月さんにも聞いたわよ……聞いた上で……」

「ちゃんと聞いたかって聞いてるんだよ。うわべだけ聞き流して『なんか言い訳してる』くらいにしか聞いてなかったんだろ?」

脅しにならないように芹沢は声のトーンを気を付けながら話す。

「だって先輩として……後輩の間違いは正さないといけないし」

「先輩として? 先輩としてみんなで無視するようにしたのか? 立派な先輩様だな? 先輩とか後輩とかじゃなくさ」


人間として、仲間として聞いてやれよ。


悲しそうなトーンで芹沢は里山に語りかける。

「だって仲間だろ? サッカー部のさ。先輩として、仲間として信じてやって守ってやるもんなんじゃねぇの?」

芹沢の言葉に里山以外のメンバーも口をつぐんで下を向いた。

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