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……どうしてこうなった?

第8章 初デート

そして日曜日の朝。

「どうして私が芹沢先輩のために貴重な休日使って連れ回されないといけないのよ……」

優花は怒りながらも鏡の前で念入りに髪をブラッシングする。

艶々と輝くボブの髪が整えられていく。
他人が見れば気にもならないようなちょっとした「跳ね」が直らず、優花は何遍もブラシを通す。


別にこれは芹沢先輩のために直してるわけじゃないから。
乙女の身だしなみとしてしているだけであって……

誰にも聞かれていないのに優花は必死に言い訳をしながら髪をといていく。

中学まではほとんどしなかった化粧も少し施した。

これも優花の心の声いわく「乙女の身だしなみ」であった。


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