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……どうしてこうなった?

第33章 動く歯車

そもそも芹沢が副島を挑発するのには狙いがあった。

わざと挑発したり陸奥の喘ぎ声を聞かせたりすることで苛立ちを募らせていた。

その苛立ちはやがて陸奥への不信感へとかわり、仲違いから争いまで発展させようという狙いだった。

とはいえ芹沢が期待していたよりも副島には実権がないことに気づき、がっかりした。

これでは大きな争いにはならない。
争いになったところで副島が切られて終わりだ。

しかしそれでも陸奥の腹心の副島がいなくなることは悪いことではない。

だから芹沢は何かと副島の気分を逆撫でしてきた。

「三年からレギュラーを取るのは難しいだろうけどさ、頑張ってね」

フフフと気味悪く副島が笑う。

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