テキストサイズ

……どうしてこうなった?

第33章 動く歯車

「いえ、なんでもないです……」

危うく相談しかけて優花は止める。

もし言ってしまえば芹沢のことだ。
俺も一緒にいくとか言いかねない。

そうなれば話がややこしくなる可能性が高い。

陸奥はもう優花には手出しはしないという話をすると言ってるのだ。

そんなところに芹沢を連れていったら気分を害して、手出しをしなというは話もなくなるかもしれない。

「なんでもないんです。ほんと、気にしないでください……」

「……そっか。わかった。あんまり無理するなよ、優花」

「はい……」

優花はこくんと頷き答える。

芹沢はふわっと笑ってまた優花の頭をぽんぽんと叩くように撫でた。

今日は振り払わず素直にぽんぽんされる優花だった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ