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……どうしてこうなった?

第34章 狂気の刃

「駄目だ。いま騒ぎになれば優花がレイプされそうになったことも公になる。そうなれば根も葉もない噂まで立つ」

厳しい口調で芹沢は優花をたしなめる。

「そんな……そんなことはどうだっていいですっ! 先輩にもしものことがあったら、私……」

「心配ねぇって。このくらいの怪我、マシな方だから。俺を誰だと思ってんの? 副島のへなちょこ斬りくらいでやられるような男じゃねぇから」

ニッと笑う芹沢に優花もちょっとだけ笑う。

「おい、副島。分かってんだろうな? こんなふざけた真似しやがって」

芹沢は声色を変えてうずくまる副島に恫喝する。

「今日のところはこれで終わりだ。明日、覚悟してろよ? 俺を切りつけたことは話すからな?」

芹沢の呼びかけに副島は返事をしない。

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