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……どうしてこうなった?

第35章 芹沢の弱点

しかしその副島の思惑は外れた。

教師らは芹沢の証言通り、凶器を使って副島が逆恨みをする芹沢に斬りかかった事件として扱った。

「そんなっ……僕は芹沢くんに殴られて……それでたまたまあった刃物で傷つけただけです。それだって本当に斬るつもりなんてなかった……」

副島は必死に弁明する。

「そのへんにあった刃物? あんな特殊なナイフがかね?」

生活指導の教員は苦笑いを浮かべる。

「君が振り回した刃物。我々はそれを芹沢くんから預かってるんだよ。あれは特殊な高級ナイフだ。学校の備品ではない」

「あ、あれは……たまたま僕が持っていただけで」

「あんなものをたまたま持っているのかね、君は?」

言い逃れしようとする副島に厳しい口調で教員は尋ねる。

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