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……どうしてこうなった?

第35章 芹沢の弱点

「だいぶ腫れも引いたかな……」

芹沢はまじまじと優花の顔を見る。

そんなにじーっと凝視されると優花も照れくさくなる。

「大丈夫ですって。一応風邪ひいたとか言って家ではマスクしてますから」

そう言って優花は昼間に買ってきた大きめのマスクを取り出してみせる。

「悪いな、優花。しばらくはそれで隠してくれ」

「なんで先輩が謝るんですか。こちらこそいろいろありがとうございました」

ペコッと優花はお辞儀する。

「また遊びに来てね、お姉ちゃん」

一晩泊まったらすっかりなついた芹沢の年の離れた妹が笑う。

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