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……どうしてこうなった?

第36章 橘たちの戦い

「やっぱり、いいよ……」

尾上涼子は震えながら引きつった笑いで橘彰人に振り返った。

「大丈夫。俺がついてるから」

橘は凉子を落ち着けるように微笑む。

義理の父親にレイプされ、その他複数の教員からもレイプされて自殺未遂を繰り返した凉子。

その過去の悲劇を終わらせるため、橘は立ち上がった。

凉子の実家まで来たところで、涼子はガタガタと震え始めた。
その怯え方は尋常ではなく、見ていて痛々しささえ感じる。

「行こう。全てを終わらせて、前へ進むために」

震える肩を抱き寄せ、橘は頷く。

本当は橘だって怖い。
いまから大人の男の罪を断罪しに行くのだから。

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