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……どうしてこうなった?

第8章 初デート

「しっかり掴まっておけよ?」

「は、はい……あんまり飛ばさないでくださいね」

後部座席に乗った優花はギュッと力強く芹沢の腰にしがみつく。

「行くぞ」

「ぎゃああああぁぁっ!」

芹沢はバイクをわざと急スタートさせ、優花をからかった。

「速い速い速いっ!! 先輩っ! 恐いですってっ!!」

予想以上の悲鳴を上げる優花に芹沢はクスッと小さく笑いを浮かべた。

もちろん、その悪戯な笑みは優花には見えなかったのだが。


芹沢は進路を山の方へと向け、バイクを走らせていった。

ギャーギャー騒いでいた優花だったが流石に少し慣れてきたのか悲鳴を上げなくなっていた。

山道は当然カーブの連続のため、彼は極力安全運転で走る。

ひとりで乗っている時はかなりアクセルを噴かせて攻めているが、後ろに女の子が乗っているので今日は安全に最大限気を配っていた。


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