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……どうしてこうなった?

第8章 初デート

しばらく山道を走った芹沢は少し早めに休憩を取るため、中腹の展望台付きパーキングに入る。


「大丈夫か、優花?」

「お尻がジンジン痛いです……」

ゆっくりバイクを止めた芹沢は先に降りて後部座席の優花を抱きかかえるように下ろしてやる。


「ちょっ……いいですっ! 自分で降りれますからっ!」

バイクから下ろされた優花は照れて怒りながらヘルメットを脱ぐ。

「ほら、あっち。展望台だから」

芹沢は怒る優花を一切無視してさっさと進む。

「ちょっと聞いてるんですか? 大体飛ばしすぎだし……ってわぁっ!」

展望台からは街が一望できる眺めが広がっていた。

怒るのを忘れ、彼女は走って展望台へと向かう。

空気も澄んでおり、遠くの方まで見えるその景色に優花は言葉を失って見つめていた。

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