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……どうしてこうなった?

第36章 橘たちの戦い

「そう。俺はずっと逃げてた。嫌なことから目をそらし、やり過ごそうとしていた。だけどそれじゃダメなんだって……涼子と一緒にいてわかったんだ。だから、ありがとう」

「そうなんだ……よくわからないけど、誰かにありがとうって言われるのって、嬉しいね」

「そうだね。誰かに頼られるのも、嬉しい。涼子の役にたててるなら、おれも嬉しいよ」

心を閉ざして、闇に支配されていた二人は少しだけ目の前が明るくなるような気がしていた。

「一緒にさ……一緒に強くなっていこうよ、涼子」

「うん……そうだね……ひとりじゃないって、心強いね」

二人は静かに笑いあった。

恋愛でもない、友情でもない、それ以上に強い絆で二人は結ばれた気がしていた。

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