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……どうしてこうなった?

第36章 橘たちの戦い

「よくやった。えらいよ、涼子」

涼子の家に戻ってきた橘は涼子を褒めた。

「そんなこと、ない……怖くて、逃げたくて、震えるしか出来なかった」

「ちゃんと言ったじゃないか、自分の口から。あの男に。逃げなかった。えらいよ、涼子は」

橘はゆっくりと何度も涼子の頭を撫でてやる。

もともと一重でやや腫れぼったい涼子の目は泣き腫らして更に腫れぼったくなっていた。

「ありがとう、橘君……橘君がいてくれなかったら、わたし絶対逃げてた」

「いや、俺の方こそ、ありがとう。涼子が逃げちゃダメって教えてくれたんだから」

「逃げちゃ、ダメ? 私が?」

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