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……どうしてこうなった?

第37章 放たれた狂獣

「退学だってよ!!」
「陸奥会長の怒りを買ったんだろうな」
「刃物を使った障害事件なんだから退学で当然だよ」

みな口々に副島退学のニュースを口にした。


その噂話が聞こえるたび、優花は恐怖に震えた。

副島に殴られた頬もすっかり腫れが引き、見た目には優花の傷は癒えていた。

しかし心の傷はくっきりと色濃く残った。

「気にするなよ、優花……」

不安で震える優花のもとに芹沢がやって来る。

「先輩……」

芹沢の方は当然まだ傷が癒えてない。
腕に巻かれた包帯が痛々しい。

「副島はそれだけの、いや、それ以上のことをしたんだ。退学程度で済んで感謝すべきだ」

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